シックを纏う街。
その道々は、遠い古を感じさせるのです。春の土壁でしょうか、暑い夏の打ち水でしょうか。
長い歴史の中で培われた文化をそのままに今日もその街の暮らしは続きます。
朝はきっと、ちいさな子どもが大きな声でイッテキマスを言いながら、袋小路を駆け出して、
夕はきっと硝子窓から洩れる電球の灯りを頼りに、タダイマを言うのです。
この街の本質は何かと、長い長い石畳を歩くうちに、感じるのはこの街の品位。
品位とは「やらないことを決める」ことで生まれる感覚。潔さと清らかさ。
観光地で有るにも関わらず、いわゆる観光地から離れた心の場所がここにはあります。
オシャレでもなく、スタイリッシュでもなく、正にシックが似合うのはこの街の情景です。